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Vol.1 ソーシャルビジネスと島の風の”運動”

2009年12月14日 カテゴリ:

伊是名村で活躍されている、NPO法人島の風の納戸義彦代表にお話を伺いました。
2005年にNPO法人島の風を設立後「島のこしが島おこし」という理念をかかげ、
古民家の再生事業など地域の暮らしやコミュニティと、景観や資源を有機的につなげる活動を行っています。
vol.1の今回は「ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスとは?」をはじめ、地域づくりについてお話していただきました。

noto2 納戸義彦理事 (NPO法人島の風代表)

プロフィール ==========================
NPO法人 島の風 代表
1953年福岡県生まれ。高校卒業後上京。大学中退後各地を転々とする。
郷里に戻り、家業である寺社仏閣の制作に携わる。
1991年沖縄に移住ダイビングインストラクターとなる。
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●ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスとは?

私自身、私なりのソーシャルビジネス(コミュニティビジネス)に取り組みつつ、その進む方向に注目しているひとりです。はじめに、この概念、取り組みが広がりはじめた背景を考えると、多様化した社会課題への対処がたいへん難しくなったという事情があるでしょう。また、この100年の近代化でできあがった経済システムが米国に端を発する金融危機で崩れてきています。その結果、市場原理主義とも呼べる経済のあり方に疑問を抱く人が増えてきているように思われ、これまでとは違う価値観へ文脈のよみかえが必要になっている時代なのではないでしょうか。

そこで、目先の私的な利益追求に固執しないで、中長期的な視野に立ち地域課題の解決に取り組む持続的ビジネスということでソーシャルビジネス(コミュニティビジネス)に期待が寄せられているのではないでしょうか。

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●ソーシャルビジネスと島の風

私の考えでは、ソーシャルビジネスもコミュニティビジネスも、広い意味での社会的取り組みということで同じ概念の中にあります。ただ、場所によって“コミュニティ”という言葉や概念の伝えやすさが違っていて、私たちの伊是名のような小さな島では通じやすいですが、都市部では、コミュニティの崩壊が進み“コミュニティの再生“といってもどの範囲・枠組みなのか、ということがみえにくく、つかみにくいのではないでしょうか。そこで私は”社会的なとりくみ“ということで、コミュニティビジネスもひとまとめにしてソーシャルビジネスと言っています。

(ちなみに、都市ではテーマ・コミュニティといって、地域単位ではなく、分野毎{子育て、高齢者介護など}に特化した課題解決方法がすすむ傾向にあります)。

もう少しつっこんでいいますと、ソーシャルビジネスとは、地域活性化のメソッドのひとつなのではなく、地域課題を定義し、将来をみすえ、その解決のためのミッションを掲げた持続可能なビジネスだということです。

私はこれまでいろいろなところで、メソッドと同時に総論の議論が必要ではないか、と提案してきました。そういった意味で、ソーシャルビジネスは例えば伊是名においては「次世代にどんな島を残すのか」という総論の下のミッションを掲げることだと考えています。

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●地域づくりに必要なことは?

私の考える“総論”について少しお話したいと思います。

地域のことを考えたとき、何が大事かというと、まず地域の課題をみつめ、50年、100年先の次世代の人々に何を手渡すのか、そのためには今はなにをすればいいのか、その議論の末の理念を明確にすることだと思っています。このような、目指す道筋=理念がなかったら、いかなる方法も一時しのぎでしかならなくなってしまいます。その場その場の対処療法にとらわれていては、地域の本当に大切な資源さえ取り返しのつかないところまで失ってしまいます。では、大切な資源とは何か。その答えはそれぞれの地域の中にあり、そしてそこで生きてきた地域の人々の中にあると考えています。

ちなみに、地域活性化というと、よく地域の特産品を開発して地域にお金がおちて潤うこと、雇用が拡大することなど経済的側面のみ強調されることがあります。確かにそれもひとつのメソッドです。しかし私自身地域活性化とは、地域のあらゆる課題に対し、地域の中で地域自らが解決できる力をつけること=地域の免疫力を高めることだと思っています。まずはその免疫力をいかに高めるためるか、これが私の言う「総論」です。

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●ソーシャルビジネスに取り組む理由

先ほどの話と前後しますが、今、私が大事だと考えるのは、文脈の読み替え、パラダイムシフトです。ソーシャルビジネスも新たな価値の創造によって推進されるのではないでしょうか。そこで、「経済や観光という従来の価値観をいったん捨ててしまわないか」という私の主張が、ソーシャルビジネスが必要とされる社会背景にマッチしてきていると考えています。

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●今後の構想について

現在NPOとして活動していますが、それと並行してオール伊是名、オールキャストで挑むNPC(非営利型株式会社)を立ち上げを考えています。だれの言葉だったかは失念しましたが「経済なき理念は寝言であるが、理念なき経済は犯罪である」という言葉があります。経営の経済的自立性を確保しつつ、事業から生み出される収益を理念実現に向けた社会的事業に投資する新しい企業モデルです。すでに全国にいくつかある先進モデルに学びながら大胆に推進していきたいと考えています。

投資する社会的事業もいろいろと考えられますが、今、考えている具体的な事業構想のひとつは「学習塾の開設」です。島の課題のひとつに子供たちの本島との学力格差があります。島内の子どもたちが本島の高校に進学する際、その格差に学習意欲を失ってしまうという話をよく耳にします。島に生まれ育ったことで子供たちの将来への選択肢を狭めてはならないと考えています。島内の子どもたちが自信を持って世界へ羽ばたけるような育成事業、そらは未来の人材への投資事業です。そして、ひいては島の発展に寄与するはずです。

今後も「伊是名は伊是名を目指す」という、小さいけれど小さいなりの身の丈のとりくみを身の丈にあったスケールとスピードで、確実にまた大胆に一歩ずつ力強くすすめていきたいと思います。